平清盛

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+++2012年 日本 全50話+++
2017年に視聴

美しく気高い大河ドラマだったと思います。

放送開始からマスコミに不思議なくらいに意味もなく叩かれ続け視聴率を騒がれたり本当に色んなプレッシャーがあっただろうに、それに屈することも媚びることもなく、こんなに真摯で素晴らしい作品を最初から最後まで圧倒的な力量で作り上げたスタッフの心意気にただただ感動します。
どこぞの知事が画面が汚いと発言して有名なドラマですが、私はこんなに優雅で美しい映像の大河ドラマを観たことがありません。


全50話1年間という長丁場の大河ドラマで、ここまで初回から最後の最後までドラマの芯は一度もぶれることなく、本当の意味での大河ドラマらしく一人の人物の生涯を中心に描いている作品って珍しいと思います。
だから「平家物語」ではなくて「平清盛」というタイトルなんですね。

私が想像する「平家」の物語は清盛の死後、都落ちしていく時の様々なエピソードが多いんですが、この大河ドラマはあくまで平清盛のドラマだから彼の死後の描き方は潔いくらいさっぱりとしていて斬新でした。


教科書で出てくる〈平清盛が武士として初めて政治を行った〉というたった一文が、実はいかに偉大で革新的で後世に意味があることだったのか、それを今更のように思い知った気分です。

私は昨年の大河ドラマ「真田丸」にドハマりしてTwitterなどで真田丸が好きな人の多くがこの「平清盛」を絶賛していたので今更のように放送当時に諸事情で挫折したこのドラマをもう一度観たいと思ったんですが、「真田丸」や今私が再放送で観ている「風林火山」の主人公たちに比べると、平清盛という人物は途方もないスケールだったんだと思います。
「真田丸」の真田信繁や「風林火山」の山本勘助という人物もそれぞれ魅力的なんですが、ドラマを観ている限り彼らは生まれた時代に必死に自分の生き様を見つけようともがいて取捨選択を繰り返し最後に選んだ道がとてもドラマティックなので主人公になり得たという印象なんですが、「平清盛」の主人公はその自分の生まれた時代の価値観や常識を根底から覆すような事をやってしまうので本当に面白いキャラクターでした。

ただ、そういう人物だから基本的に判官びいきな日本人からはあまりいい印象がなく悪役的な扱いを受けることもしばしばあり、主人公として描くのは難しかっただろうなぁと思います。
それにしてもそんな清盛を若干中二病的な青年期から、色んな別れを乗り越え棟梁として成長しこの世の栄華を極める中年期、上り詰めた先にある孤独な老年期まで見事に演じ切った当時まだ二十代だった松山ケンイチという俳優の凄さに今更のように驚きました。
硬軟取り混ぜて見事にこの難しい主人公を生き生きと演じていましたよね。


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今から見てもこのドラマはキャスティングもすごいですよね。
主要人物に、義朝役に玉木宏・後白河天皇に松田翔太・西行役に藤木直人・平盛国役に上川隆也というセンスの良いチョイス。
そして思い出すだけで胸が痛くなるような窪田正孝演じる平重盛、このドラマに独特な世界観を与えたのがナレーションを源頼朝役の岡田将生がやったということだと思うんですがその少年時代を演じていたのが中川大志というのがまたまた絶妙でした。
敢えて憎まれ役を演じているのに泣けるシーンが多かった豊原功補演じる平忠正や、このドラマを語るうえで忘れてはいけない井浦新演じる崇徳院が史上最恐の怨霊となるシーンとか(笑)
このドラマのキャスティングに関してはもう挙げだすと止まらないくらいピタリと役にはまっていて、最高でした。


あと、個人的に好きだったのがこのドラマの女性陣。
脚本家が女性ということが関係あるのかないのか分からないんですが、このドラマに出てくる女性はみんな凛として魅力的でした。
深田恭子の時子、成海璃子の建春門院滋子、和久井映見の池禅尼、田中麗奈の由良御前、武井咲の常盤御前、杏の北条政子、檀れいの待賢門院璋子、松雪泰子の美福門院成得子など、それぞれしなやかに健気に生きていて、こんなに女性キャラが揃って魅力的な大河ドラマも珍しいと思います。


一度観たらずっと記憶に残る絶品大河ドラマ。
こんな作品は滅多に出来ないのかもしれないけど、5~6年に一度でもいいからこんな良作をまた作ってほしいと切に願ってやみません。


私は西日本の出身なので基本的にもともと源氏よりは平家に親しみを覚えるんですが(西日本は各地に落ち武者伝説のある地区が多いので)、「平家物語」の有名な一文〈浪の下にも都の候ぞ〉がここまで泣ける気持ちになれるなんて本当に素敵なドラマを遅ればせながらも観ることが出来てよかったと思います。


個人的評価(★5が満点) ★★★★★

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by spring-mei | 2017-12-12 12:41 | 日本ドラマ | Comments(0)

台湾・中国・韓国そして日本ドラマの気ままな感想綴り


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