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一追再追 韓国・中国・台湾そして日本ドラマの気ままなネタバレと感想

剣と花

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+++2013年 韓国 全20話+++
2016年に視聴

以前からこのドラマの評判はわりと分かれている印象があって、でも意外と行きつけのブログでの評価は良かったので気にはなっていました。
敢えて観ようと思っていたわけではないものの、ちょうどKBS/Wで週2話ずつ放送が始まったのでこれは縁があるんだなと観ました。


以下はネタバレあります。





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いや~、噂通りとにかくクオリティの高い映像でしたよね。
ドラマというより映画のよう。
ワンシーンワンシーンが本当に息をのむように美しい。
それを堪能出来ただけでも価値はあるといっても過言ではないくらい。
中盤のクーデター直後の惨劇を後片付けするシーン(あまりそんなシーン自体観た事ない気がします)とかでも、血で汚れた石段に水を流して流れていく赤い色すらも芸術的に美しく、王宮もヨン家の屋敷も基本的にシックでオシャレなんですよね。


そして肝心のストーリーも個人的にツボでした。
というのも、おそらく私の韓ドラ史劇のベースはあの「大祚榮(テジョヨン)」なので、滅亡する高句麗という舞台がまず好物過ぎる。
私にとって高句麗という国を描いたドラマは、朱蒙が頑張って建国したドラマでもなく、ヨン様がファンタジー全開で戦っている国でもなく、ヨン・ゲソムンを始めとする愛国心の高い英雄たちが唐との攻防を繰り広げつつも滅亡してしまう亡国のドラマが一番心に響くのです。
もう、これはハッキリ言って刷り込みみたいなものですね。

このドラマの面白いのが、主役の二人が完全に架空のキャラであると言うこと。
それぞれ、ヨン・ゲソムンの庶子、ヨンリュ王の王女という設定で本当に国の中心人物の子供という設定にしているものの、それを架空のキャラにしているという無理があまり感じられず、他のキャラとの調和が綺麗に取れていたと思います。
映像・音楽同様、このドラマは全てにおいて計算され尽くしたブレのない仕上がりだと思います。
それゆえに視聴者に媚びる要素がなく、視聴率的には苦戦したんでしょうね。


ドラマの筋としては、敵対する立場の二人の恋物語を一つの軸として、前半はヨンリュ王とヨン・ゲソムンの対立、後半はヨン・ゲソムンの嫡子ナムセンの暴走(笑)と描かれていました。

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そして、その中で私が特に惹かれたのが、高句麗最後の国王・ポジャン王。
演じているオン・ジュワンは、今まで何作か観たことがありますが、何だかいつも好きになれないキャラで特に「パンチ」では出てくる多くの極悪人たちよりも彼が演じるキャラが嫌いなくらい苦手意識があった俳優さんでした。
ところが、これが史劇マジックなのか、ポジャン王マジック(って何?)なのか謎なんですが、彼が演じるポジャン王が妙に好きでした。
伯父であるヨンリュ王へ鬱屈とした気持ちを持ちヨン・ゲソムンの企てるクーデターに協力するのもすごく納得出来る描写だったし、ようやく手にした王位が本当にただの飾りでしかなかったことに気付いて苦悩するのも切なく、従妹であるヒロインの男装を一番最初に見抜くのもツボだし、最後まで色んな複雑な感情で悩みつつも王として高句麗の為に選択しているのが何だかすごく好きでした。(つまり全編に於いてツボキャラだったという事ですね)


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この2ショットの加齢臭の高さは何か笑えました。

いや~、それにしてもこの役にオム・テウンってなかなか冒険ですよね。
何だかんだといって私は実はオム・テウンって嫌いじゃないんですが、いつみても眉毛は(´・ω・') みたいな感じだし(笑)、年齢的に仕方ないんだろうけど頬のとこの肌荒れというか痘痕みたいなのも気になるし(←ヒドイ)、どうみてもイケメンとは程遠いと思うんですが、でも不思議な事に観ているうちにアリなのかもしれないと思えました。
そういえば、私は「善徳女王」でもあのピダムよりユシン派だった事を途中でようやく思い出したくらい。

チェ・ミンスに関して私が観たことあるのは「太王四神記」の火天会大長老と、序盤で挫折した「傲慢と偏見」くらいなんですが、この間みた「応答せよ1994」で登場人物たちがあの「砂時計」を観ていてその時に"チェ・ミンスは本当に男前だ"と会話していたシーンがあったので、何だか私自身も昔から知っていたような気になってしまいました(笑)
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私がこのドラマを予想以上に楽しめた理由の一つが、ヒロインを演じたのがキム・オクビンだと言う事。
ドラマで彼女を観たのは「オーバー・ザ・レインボー」以来なので本当にお久しぶりなんですが、彼女が最初から最後までブレずに魅力的でした。
気高く賢く強くて、序盤の王女時代は少しだけ鈍感な天真爛漫な姫要素もあり、復讐に燃えるときも品の良さが残りつつ理性的でいい感じに丸みのあるキャラだったと思います。
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王女時代も本当に綺麗だったし、男装はさすがに無理がありますが(定番ですけどね)、質素な服装の時でもそれ故にとっても綺麗で最初から最後まで眼福でした。

全20話ずっと飽きることなく久しぶりに高句麗の滅亡をゾクゾクしながら観ることが出来てなかなか面白かったです。





個人的評価(★5が満点) ★★★★

Commented by はうん at 2016-09-22 03:52 x
こんばんは。
韓国での視聴率は良くなかったようですが、沢山おっさんの出てくる渋いドラマで見ごたえ十分でした。ナムセン演じてた人がちょっとしんどかった(笑)、ですが。
これを見て、僕はテジョヨンを見たのですが、あのドラマもすごかった。リアルタイムに近いときに見たかったなぁ、と思いましたが、やっぱり史劇はいいなと思いました。
Commented by spring-mei at 2016-09-28 00:59
> はうんさん
こんばんは。

あ~、ナムセンは確かにしんどかったですね(笑)
後半は彼の言動のみでストーリーが展開してしまった部分もあって、誰が演じても大変な役回りだと思うんですが、演じているのが彼だったので余計にしんどかったです。

このドラマをテジョヨンより先に観ると、時系列的には繋がりやすいですよね。
テジョヨンはBSで放送された当時にみんなで一緒? に観たので余計に楽しいドラマでした。
史劇は長いし、合う合わないありますが、やはりイイものはイイですね♪
by spring-mei | 2016-09-21 09:25 | 韓国ドラマ か行 | Comments(2)